共有持分売却の方法ごとのメリットとデメリット
東京都内で不動産を取得しており、その不動産が共有持分の状態になっている場合は、売却をしてしまった方がよいケースも少なくありません。共有持分売却をする場合には、事前にメリットとデメリット両方を理解しておき、売却に臨むことが大切です。具体的にはどのようなメリットとデメリットがあるかを紹介していくため、参考にしてください。
基本的に相手方の同意が必要になること
東京で共有持分売却をする場合には、相手方の同意が必要になることを前提知識として理解しておくことが大切です。そもそも共有持分とは、相続などをきっかけに発生するケースが多いのです。たとえば、両親が亡くなり子どもが2人おり、両親が不動産を残していたとします。
この不動産はやがて子どもに相続されることになるでしょう。その場合でも、現金にせずそのまま不動産の状態で渡すことがあるのです。一般的に考えれば、不動産を半分ずつ分け与えることで平等になり、争うことがなくなるわけですが、実際に半分に分けることは不可能です。
そこで形式的に、共有持分の考え方を利用し、半分に分けたことにしています。その状態で相続したとしても、実際にその物件を利用できるわけではありません。土地だけならばまだしも、建物などは完全に半分だけ利用することは不可能です。そこで、共有持分売却が行われると考えてよいでしょう。使えない不動産を所有するよりも、売却して金銭を得たほうがより役に立つと考えられます。
ただし法律上の制限があり、相手方の同意がなければ、基本的に自分の持ち分しか処分できません。つまり、相手方の同意がない状態だと、自分の持っている分しか売却できないのです。この点に関しては、現金にできることはメリットといえますが、半分だけ売却してもあまり価値がないことはデメリットといえるかもしれません。
共有持分を兄弟などに売却するメリット、デメリット
東京で共有持分の土地を持っている場合、そのままではうまく活用できないケースが多いようです。もちろん東京といっても、広い土地の場所があるのも事実です。たとえば23区ではなく、多摩地区などに住んでいる場合には、広大な土地を相続するケースも少なくありません。
とくに農家の場合は、住宅が何軒も建てられるような土地を相続することもあるでしょう。しかしそのような場合を除いて、住宅1軒分の土地だけを相続した場合、その土地の有効的な活用方法は少ないようです。このように考えると、その土地だけを所有していてもほとんど意味がない状態だといえるでしょう。
それどころか、土地を所有する場合には、毎年税金を支払う必要が生じるということを忘れないようにしましょう。場合によっては、活用価値のない土地のために100,000円以上の税金を支払うようなケースもあるようです。そこで土地を売却したいと考えるわけですが、その場合でも、必ずしも相手方の同意を得られるわけではありません。
この点、自分の兄弟などに売却をしてしまうのも1つの方法といえます。この時のメリットは、お金が手軽に手に入り、同意もしてもらいやすいでしょう。
一方、デメリットがあるとすれば、土地が広い場合などです。この場合、兄弟といえども高額な費用を出して買ってくれない可能性があります。そのため、慎重に双方で話し合わなければいけません。
両方同時に売却する場合はどのように考えるか
東京都で共有持分売却を考える場合、自分の分だけ売却をしようと考えるのが一般的な考え方です。そうすれば、相手方の同意を必要ではありません。共有相手の土地を売却する際には、同意が必要となりますが、自分の分だけ売却をするのであれば、他の人に気を使う必要はないでしょう。
しかし、この場合でも、売却しにくいケースもあり、それは、あまり広くない土地の場合です。土地が広くない場合は、自分の分だけ売却してもそもそもあまりメリットがありません。なぜかといえば、普通の住宅の半分程度の土地をわざわざ購入する人は少ないからです。
このように考えれば、高く売れるケースはまずありません。中には例外があり、所有している土地が、新宿や渋谷などのように比較的地価が高いエリアであれば、狭くても売れるかもしれません。いわゆる狭小住宅が建てられるレベルの広さがあれば、価値を生み出すことができます。そうでなければ、単独で売るよりも他の持ち分の人と話し合って同時に売却してしまう方がよいでしょう。
このときのメリットは、単独で売却するよりも高く売ることができることです。場合によっては、2倍以上の金額差が出るかもしれません。しかしその反面、デメリットがあることも理解しておきたいところです。デメリットの1つは、土地のほかの所有者が同意をしてくれない場合でしょう。この場合説得に時間がかかるケースもあり、計画が狂ってしまうかもしれません。
東京都内で共有持分売却を考えているときには、それぞれメリットとデメリットを知っておきましょう。一般的なデメリットとしては、土地全体を売却する場合には売却する土地を所有している全員分の同意が必要なことです。自分の持ち分だけであれば簡単に売却できるという反面、高く売れない可能性があります。